「第41回通常総会後の懇親会」における会長開会挨拶
社団法人 日本鉄塔協会
会長  菊池 昌利
 

 本日は、日本鉄塔協会第41回通常総会の懇親パーテイーに経済産業省産業機械課九二課長補佐様および菊島係長様、そして電力会社幹部の方々を初め会員多数のご臨席を賜り、誠にありがとうございます。また、平素は当協会に対し、一方ならぬご高配、ご指導を賜り重ねてお礼を申し上げます。

  先ほどは、当会場において経済産業省様のお立会のもと、電力会社の方々を初め会員皆様のご出席により21年度の通常総会を開催し、すべての議案が原案どおり承認されましたことを先ず、ご報告申し上げます。

  当協会は、昨年は鉄塔協会設立40周年を迎え、記念式典や鉄塔技術を語る講演会開催をとおして、皆様のご支援のもとに今後も末永く維持、発展できる再出発点の年となりました。多くの関係者にご参加を戴いたことを感謝申し上げます。

  ご高承のとおり、アメリカ発の金融不安に端を発した経済の悪化は、瞬く間に全世界に波及し100年に一度といわれる大不況に陥りました。我が国においても歴史的不況のただ中に立たされております。当業界は、当面は継続中の案件で凌いでおりますが、新規の受注が極度に少なくなったとの声が聞かれます。一方で墨田区に建設中の高さ610mの新タワー「東京スカイツリー」に参画している会社があり、各社それぞれの持ち味を活かして健闘しております。政府は、大型の景気浮揚策を次々に打ち出しており、早期に日本全体で景気が回復することを切望しております。

  最近纏めた鉄塔受注実績によりますと20年度は、一昨年度の6万5千トン対し、6万 1千トンと減少したものの、小幅な減少に留まりました。これは、電力殿の後発の幹線が増加したためですが、一方で無線鉄塔需要が減少しつつあります。

  このような環境下で当協会としましては、本年度は現下の経済状況に鑑みて危機感をもって柔軟に対応することとし、
 ・ 市場環境閉そく打破のための連帯した諸策の展開
 ・ 中期的視点での鉄塔高経年設備への課題対応
 ・ 鉄塔技術継承のための課題対応
などに取り組んでまいります。
  更に、公益法人制度改革のため、本年度は会員の皆様の意向を伺いつつ、新たな法人への移行に向け検討してまいります。

 折角の機会ですのでこの場をお借りして若干お話しさせていただきますが、ここ1〜2年程経過しますと、幹線計画がひとまず完了します。電力殿におかれては、今後、大量の高経年設備の更新が重要課題になると伺っておりますので、早い時点で段階的に計画されることを願っており、結果して“日本の鉄塔技術”を末永く維持していけることになりますのでよろしく推進方をお願いいたします。

  話は変わりますが、アメリカ・オバマ新大統領の就任演説で“地球環境問題の解決のために低炭素社会を実現する”として、「グリーンニューディール」を発表され送電線建設の必要性に言及しておりました。日本においても、原子力発電の比重増大、太陽光発電、風力へと多様化が進み、電気自動車の更なる普及などを考えると、長いスパンでみると電力への重要度が増大し、送電線の必要性が今以上に増大していくと確信しております。それまでの当面の間、会員メーカはこの難局を連帯して乗り越えていきましょう。

  電力殿においても、従来にも増したご支援をよろしくお願いします。

  本日は、時節柄、粗酒・粗肴ではありますが、お時間の許す限り、ごゆるりとご歓談賜りますようお願い申し上げ、開宴の挨拶とさせていただきます。

  ご静聴誠にありがとうございました。

 


戻 る